いやー、面白い内容です。
推理のミスリードを誘うアイデアは、あまりに素朴で、それゆえに見落としがちと言えます。
そして、事件の真相……。
一見して探偵役に見えた人物が早々に殺されて退場し、意外なあの人が事件の真相を突き止めるものの、実はその人も当事者であるという良くできたトリックが見事ですね。
あえて、こういう高い本として出版するだけの価値があると思いました。
カラーページをきちんと単行本で再現するのは異例のことでしょう。
それに、最終章は紙の色を変えるという工夫も見せてくれます。
しかし、最も壮絶なのは…… §
最も壮絶なのは編集長による用語解説です。小さな字がこれでもかというぐらいビッシリと1ページに詰め込まれています。しかも、中を読むと思わず納得する「本物の語り」がひしひしと感じられます。というか、ALWAYS 三丁目の夕日に出てくるC62 22は梅小路のC62 2の変装(スワローエンゼルを隠して出ている)等々、ネタがマニアックすぎて思わず熱心に読んでしまうではありませんか (笑。